架空鉄道 日本海電鉄

越後平野を駆ける都市間電車


3000系

1986年登場、日本海電鉄の最主力車両

3000形

3000形

3200形

3200形

3500形

3500形

概要

3000系は1986年に登場し1993年まで増備された3扉クロスシート車である。4両編成の3000形、2両編成の3200形、2000形の機器を流用した2両編成の3500形の3タイプが存在する。3000系は1000形をはじめとする吊り掛け駆動車の置換、非冷房のまま残っていた2000形の置換を目的として投入された。

車体

車体寸法は先頭車・中間車ともに車体長18,000 mm、車体幅2,730 mm。構体はSS製であるが腐食防止のため屋根と雨樋部にSUS製板材、床板にSUS製キーストンプレートを用いた。
前頭部は平面ガラス構成のパノラミックウィンドウと貫通路からなり、2200形や2500形のイメージを継承している。運転台は2500形同様に床を扛上し高運転台とした。助士側は前面窓を大きく取り客室からの眺望を良くしている。
側面には幅1,300mmの両開き扉が片側3か所ずつ設けられており、その間に3連ユニット窓が配されている。3連ユニット窓は両端が固定、中央が上段下降下段固定となっており、構造の簡素化と静粛性をねらった。

内装

室内は扉間に転換式クロスシートが900mm間隔で4脚×2列並び、車端にロングシートが配される。
天井は平天井としてすっきりした見付になっている。冷房の吹き出し口と平面形のカバー付き蛍光灯が両側に並ぶ。
内装色は天井・壁面がアイボリー、床面はキャメルで全体的にあたたかみのある内装になるようまとめられている。なお、腰掛の仕切板にはキャメル、扉にはアイボリーの化粧板を貼っている。腰掛の表皮色は金茶色で、クロスシートは背ズリに白いビニール製の枕カバーがつく。
3000形見付

台車

台車は2500形と同一形式のものを履く。プレス鋼板溶接組立のダイレクトマウント式空気バネ台車で、軸箱支持には軸箱守式を用いたオーソドックスな台車である。なお、基礎ブレーキ装置についても同様にブレーキシリンダを1台車4組備えた両抱き式台車ブレーキを持つ。制輪子は鋳鉄製を用いる。

主制御器

2000系では75kW級の主電動機を用いて全電動車編成を組むことを基本としてきたが、3000系では製造コストと保守の手間を低減するためにMT比1:1編成を組むことにした。ただし3500形は2000形の機器を流用したことから全電動車編成を組む。
主制御器については、3000形では2M2T編成を組むために8M1C方式のものを、3200形では1M1T編成を組むために4M1C方式のものを用いている。双方とも発電ブレーキ付き電動カム軸・直並列多段抵抗制御方式である。なお、3500形については2000形の主制御器(8M1C方式発電ブレーキ付き電動カム軸・直並列多段抵抗制御方式)を流用している。

主電動機

主電動機はMT比率1:1編成を組むために150kW級の補償巻線付き直流直巻電動機が採用された。スペックは3000形用モータが定格出力150kW、定格回転数2,000rpm、端子電圧375V、3200形用モータが定格出力150kW、定格回転数2,000rpm、端子電圧750Vである。なお、3500形については2000形のモータ(定格出力75kW、定格回転数2,000rpm、端子電圧340V)を流用しているがコイルの巻き直しや絶縁強化などの更新を行っており、事実上の定格出力が2割増しとなっている。
駆動方式は中空軸平行カルダン方式。歯車比は5.25である。

ブレーキ装置

ブレーキ装置は従来車と併結しないことを前提として日本海電鉄初の電気指令式ブレーキ(HRD1-D)が採用された。発電ブレーキ併用電気指令式直通ブレーキを常用し、ほかに非常ブレーキ、直通予備ブレーキを備える。応荷重装置を備えているので、乗車人員の増減に応じてブレーキ圧力を自動で調整し、常に一定のブレーキフィーリングが得られるようにしている。

補助機器

空気圧縮機については3000形と3200形が容量1,120L/minのものを、3500形が2000形流用の容量760L/minのものを装備する。それぞれ2両につき1台ずつ備えている。
補助電源装置として整備性にすぐれる静止形インバータ(SIV)を採用した。容量70kVAのものを2両につき1台ずつ備えている。

冷房装置

冷房装置は能力10,500kcal/hのものが1両に3台搭載される。サーモSWを各冷房ユニットに設け、25℃~28℃の間で温度設定ができる。また、3扉となったことから冷房効率を上げるために扉部の直上にラインフローファンを設けている。

運転台機器

運転台については2500形の機器配置を継承しつつ人間工学に基づいた現代的なスタイルとなった。計器台が立ち上がった格好になっておりデスクタイプ運転台を志向しているが、主幹制御器やブレーキ弁が縦軸形のまま独立してついており昔ながらの運転台の面影を残している。また、各種表示灯類には発光ダイオードが使用され球切れの防止を図っている。各種SW類についてはNFB化され、取付スペースが縮小された。
乗務員室内装色は客室内と同様に天井・壁面がアイボリー、床面がキャメルである。運転台については計器台が黒色のほか各種機器類がキャメルにて塗装されている。