2500形(2連)
2500形(4連)新塗装(1990年代~)
2500形(2連)新塗装(1990年代~)
概要
2000系 2500形は1975年に登場し1978年まで増備された2200形のモデルチェンジ車である。日本海電鉄初となる4両編成と2両編成の2車種がある。1976年にて日本海鉄道成立50年となることを記念し、日本海側の私鉄初の冷房車として企画された。従来2000形や2200形で運転されていた本線特急を4両編成化、冷房車化することを目的として投入された。車体
車体寸法は先頭車・中間車ともに車体長18,000mm、車体幅2,730mmと2000形・2200形と同様。構体はSS製である。前頭部は2200形と同様の平面ガラス構成のパノラミックウィンドウと貫通路からなる。踏切事故対策として運転台は扛上され高運転台とされた。これに伴って前面窓も縮小されている。また、貫通路上には電動方向幕が設置された。
側面にはラッシュ対策として幅1,400mmの両開き扉が片側2か所ずつ設けられている。側窓には2連窓が並べられていることは2000形・2200形と同様であるが、2500形では構造の簡素化と隙間風の防止のため上段下降下段上昇のユニット窓とされた。
内装
室内は2000形・2200形と同様に扉間に転換式クロスシートが900mm間隔で並ぶ。先頭車は8脚×2列、中間車は10脚×2列である。車端は収容力確保のためにロングシートが設けられている。天井は従来車と同様の丸天井であるが、通路上に台形の風洞を設けてその側面から冷風が出るようになっている。風洞の両側にはカマボコ形のカバー付き蛍光灯が並んでいる。
内装色は天井・壁面がアイボリー、床面はグレーとモノトーンではあるが明るい雰囲気となるように2000形・2200形の寒色系から変更がなされた。腰掛の仕切板、扉にはアイボリーの化粧板を貼って統一感を演出している。また、腰掛の表皮色は金茶色で、クロスシートは背ズリに白いビニール製の枕カバーを装着している。
台車
台車は日本海電鉄初の空気バネ台車が採用された。台車枠はプレス鋼板溶接組立として軽量に製作されている。枕バネとしてダイレクトマウント式空気バネを用い、乗り心地の向上と軽量化をねらった。軸箱支持には構造がシンプルでかつ軽量な軸箱守式を用いている。基礎ブレーキ装置として1台車4組のブレーキシリンダを備えた両抱き式台車ブレーキを装備する。なお制輪子は耐雪性を考慮して鋳鉄製を用いる。主制御器
2500形は75kW級の主電動機を用いて全電動車編成を組むことを基本としている。2200形との併結を行うこと、整備性を考慮して2000形・2200形と同型式の8M1C方式の発電ブレーキ付き電動カム軸・直並列多段抵抗制御方式の主制御器を備える。主電動機
主電動機に関しても2200形と同型式の補償巻線付き直流直巻電動機が採用された。スペックは定格出力75kW、定格回転数2,000rpm、端子電圧340Vである。駆動方式は中空軸平行カルダン方式、歯車比は5.25とこれについても2000形・2200形と同一である。
ブレーキ装置
ブレーキ装置は一般的な電磁直通ブレーキを備えている。発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-D)を常用し、ほかに非常ブレーキとして自動ブレーキを備え、更に直通予備ブレーキを持つ。乗車人員の多寡にかかわらず一定の制動力を得られるように応荷重装置を搭載している。補助機器
空気圧縮機については2000形・2200形のものより容量を大きくし、容量1,120L/minとした。空気圧縮機は2両につき1台ずつ搭載される。補助電源装置は冷房装置のために大容量のものが求められたため、容量60kVAの電動発電機(MG)を2両につき1台ずつ備えている。
冷房装置
冷房装置は能力8,500kcal/hのものが1両に4台搭載される。冷房装置については送風、半機運転、全機運転の3段階で運転が可能である。客室天井に風洞を設けているため、形態としては集約分散式となっている。運転台機器
運転台は踏切事故対策および高速運転時の運転士の視界確保のために高運転台構造が採用されたのが最大の特徴である。計器台、主幹制御器、ブレーキ弁の配置については2200形と同様であり、高運転台に合わせて一部灯具・SW類の位置が変更された程度の差異しかない。乗務員室内装色は客室のアイボリー系の内装とは打って変わって2000形由来の淡緑色内装が継承されている。天井はアイボリー・壁面と計器台・主幹制御器・ブレーキ弁・その他機器箱については淡緑色に塗られている。床面は客室と同じグレーとなっている。