架空鉄道 日本海電鉄

越後平野を駆ける都市間電車


2000系 2200形

1964年登場、2014年引退。量産型ロマンスカー

2200形

2200形2連原型

概要

2000系 2200形は1964年から1967年まで増備された2000形のモデルチェンジ車である。編成単位は2両として小回りが利くようになった。1964年に行われた新潟国体に際して三条線や柏崎線方面への直通列車運転のために企画されたが、その直後の新潟地震からの復旧を挟んでその後の輸送需要の増大により増備された。長らく第一線に立っての活躍をつづけたが、2014年までに全車引退した。

車体

車体は2000形とほぼ同様であり、寸法は先頭車・中間車ともに車体長18,000mm、車体幅2,730mm。構体はSS製である。
前頭部は柔軟な増解結に対応するために貫通路付きとされた。運転台側方の視界を良くするためパノラミックウィンドウが採用されたが、製作・保守コストを削減するために平面ガラスを組み合わせた構成とされた。また、前照灯はシールドビーム2灯として夜間・降雪時の照度向上をねらっている。
側面は2000形と同一の構成であり、1,100mm幅の片開き扉が片側2か所ずつ設けられ、側窓として2連窓が並べられている。

内装

室内は扉間に転換式クロスシートが900mm間隔にて並ぶ。収容力を確保するために車端はすべてロングシートとされた。
天井は一般的な丸天井であり、中央部に扇風機と通風器が並ぶ。その両側にカマボコ形のカバー付き蛍光灯が連続して配されている。
内装色は2000形と共通であり、全体的に寒色系でまとめられている。天井がアイボリー、壁面が淡緑色、床面はグレーとし、扉は淡緑色に塗装されている。腰掛の表皮色は灰緑色としてかなり落ち着いたムードが演出されている。また、クロスシートには背ズリに布製の枕カバーを装着していたが、これに関しては汚れやすかったことから1970年代にはビニール製の枕カバーへ交換されている。

2200形見付

台車

台車は2000形と変わらずコイルバネ台車。ただし製作性・保守性を向上した新式の台車となった。台車枠は軽量かつシンプルなプレス鋼板溶接組立。枕バネは2列のコイルバネとオイルダンパから構成されており、更に側梁と揺れ枕をつなぐボルスターアンカが追加された。軸バネには2000形の台車において実績があったウィング形軸箱守式が継続採用された。また、基礎ブレーキ装置として1台車4組のブレーキシリンダを備えた両抱き式台車ブレーキを装備する。制輪子は耐雪性を考慮して鋳鉄製を用いる。

主制御器

2200形は2000形の増備車にあたる車両であるため、主要機器構成は2000形とほぼ同一である。よって、75kW級の主電動機を用いて全電動車編成を組むことを基本とした。主制御器は8M1C方式の発電ブレーキ付き電動カム軸・直並列多段抵抗制御方式である。

主電動機

主電動機は直流直巻電動機であるが2000形とは別型式とされ、整流特性を良くするために補償巻線が追加された。スペック上は定格出力75kW、定格回転数2,000rpm、端子電圧340Vである。
駆動方式は中空軸平行カルダン方式、歯車比は5.25である。

ブレーキ装置

ブレーキ装置は発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-D)を常用。非常ブレーキとして自動ブレーキを備え、更に直通予備ブレーキを持つ。また、乗車人員の多寡にかかわらず一定の制動力を得られるように応荷重装置を搭載している。

補助機器

空気圧縮機については2000形と同様の容量760L/minのものを備える。空気圧縮機は2両につき1台ずつ搭載される。
補助電源装置についても2000形と同様に容量6kVAの電動発電機(MG)を2両につき1台ずつ備えている。

運転台機器

運転台は全室運転台ではあるが貫通路の構成のために左隅に寄せられ、コンパクトにまとめられている。その代わりに側方の視界を良くするために平面ガラスにて構成されたパノラミックウィンドウとなっている。計器台、主幹制御器、ブレーキ弁の配置については2000形と同様であるが、SW類の位置が貫通路との仕切に変更されるなどの差異がある。
乗務員室内装色は客室と同様で天井がアイボリー、壁面は淡緑色、床面はグレーである。なお、計器台・主幹制御器・ブレーキ弁・その他機器箱については淡緑色に塗られている。

特別保全工事・冷房化改造

1988年になると後継車である3000系の登場により2200形の陳腐化が目立っており、冷房装置も無いことから車体内外の更新を行う特別保全工事と冷房化改造が実施された。特別保全工事については電気配線および空気配管の張り替え、屋根・外板補修が行われた。また、前頭部に方向幕を設置。客室内は壁面の化粧板、床材の張り替え、モケットの交換などが行われた。壁面はアイボリー、床材はキャメル、モケットは金茶色と3000系並みの内装へと一新された。また、運転台のSW類が押しSWから信頼性と整備性にすぐれるNFBへと交換された。
冷房化改造により能力10,500kcal/hの冷房装置が1両に3台搭載し、電源として容量70kVAの静止インバータ(SIV)を2両に1台搭載した。これらは3000系と同じものである。また、客室内の天井が平天井化されてその中に風洞が設置された。ラインデリアについては省略されている。

2200形更新後

2200形2連更新後

2200形2連更新後